フィリピン留学コラム

フィリピンの教育について

今までのフィリピンの教育制度は小学校6年、中等教育4年の計10年でした。(6-4制)
しかし、2011年頃から教育制度を改善しようという運動は始まり、2013年にK-12制(6-4-2制)に変更されました。幼稚園(K)、小学校6年間、中学校4年間、高校2年間の計13年です。

学校のほとんどが2学期制を採用しており、1学期は6~10月、2学期は11~3月で、3月末から6月初旬まで約2ヶ月半の長い夏期休暇があり、学期の区切りや年末年始に約2週間の休みがあるのが一般的です。

フィリピン教育の特徴

公立系と私立系の違い

私立は公立と違って授業料が発生します。
入学の面談では授業料が払い続けられるかどうかの過程の経済力も入学に関わってくるようです。

また、フィリピンの学校では日本のように教科書の内容が頻繁に更新されていくわけではなく、数年に1回のペースでしか更新されません。しかし、私立の学校は毎年のペースで新しい情報に更新されます。
そのため、私立では最新の内容を学ぶことができますが、公立では数年前の古い情報をそのまま学ぶために私立と公立とで学力に大きな差が生まれてしまいます。

義務教育の期間

今まで、フィリピンの義務教育期間は小学校6年間、中等教育4年間の合計10年間しか行われてきませんでしたが、2013年にK-12制(6-4-2制)となり『13年間(5~17歳)』が義務教育となります。
これにより、
幼児教育(就学前教育/幼稚園)が1年義務化になり、すべての子供は幼稚園に1年間通わなければ小学校に入れません。
小学校に6年間しっかりと通い続け卒業できるようにするためには、幼稚園での教育が重要だとされています。

使用言語

国語(フィリピン語)、社会(歴史)の授業はフィリピン語で行われ、それ以外のほとんどの授業は英語で行われます。
しかし、言葉の問題から授業についていけない子供が多かったため、小学校2年生までは英語を含めた全教科において現地語で授業を行い、3年生からフィリピン語と英語を取り入れるよう変わってきています。英語の授業は公立・私立ともに毎日行われています。

>>フィリピンで使われる言語についてはこちら

勉強科目

国語、英語、理科などほとんどは日本と変わらない科目ですが、英語と宗教に関する授業が多いことが特徴的です。
英語教育は幼稚園からはじまり、小学校高学年では基本的に授業は英語で行われています。
また、フィリピンは国民の90%がキリスト教のため、キリストの教えに順じた道徳教育が大事にされています。
小学校では歴史の授業時間が少なく世界史単独の授業がない為、フィリピン人は歴史が苦手な人が多いです。

体育は限られたスペースで行える体操や球技、持久走など。ほとんどの学校にプールがないため水泳の授業はありません。
歌や楽器演奏をする音楽や、料理や裁縫をしたりする家庭科も日本とほぼ同じです。

授業料

公立校の義務教育期間の学費は無料ですが、制服や教科書代などは有償です。さらに、学校内の設備投資や特別授業の寄付金、イベントの費用など年間を通してかかります。

また、2017年にはフィリピンの国公立大学や国立職業訓練校の授業料などを2018年より無償にすることが決まりました。授業料などの他に医療費、図書館やパソコンなどの利用料が無償化の対象となっています。

就学状況

就学率は小学校で96%、中学校では65%と東南アジアの中では高い方ですが、小学校では約30%の児童がドロップアウト。さらに小学校卒業後に進学するのは全体の約50%です。大学進学に至っては全体の約10%ほどと言われており、ドロップアウトする生徒がかなり膨大です。
フィリピンでは10人に1人(およそ400万人)は未就学状態です。

数年前に教育制度が変わった

フィリピンはもともと、義務教育期間が10年間しかありませんでした。
日本では小中高の「6-3-3」の12年間が義務教育期間にあたり、国際的にも日本と同じく12年間が一般的なようです。フィリピンでは、他の国で12年間でやること授業内容を10年間で学習する必要があったため、国際的にも学力は低い傾向がみられました。世界基準で必要とされている教育を他国と比べて2年も少ない期間で完了させなければならないので無理に詰め込まれ、学力低下やドロップアウトに繋がりました。
また、12年間の基礎教育を条件とする海外の大学に進学できない問題もありました。

よって、2013年に義務教育期間の改善が行われました。

なぜ就学率が芳しくないのか

経済的な理由から学業を断念するケースが多いです。
いくら公立の授業料が無料でも、制服や教科書、文房具、学校の設備投資などの費用は年間を通してかかります。経済的に余裕のない家庭や子沢山の過程は支払うことができず、子供を学校に通わせることを断念してしまうのです。
学校に通えていても両親が安定した収入を確保していない場合や親が失業したりするとドロップアウトせざるを得ません。
子供は労働力として使われることも多く、家業を手伝い、家計をサポートしているため通えなくなってしまうケースが多いです。

また、フィリピノ語や英語が通じない少数民族の地域などで生徒が授業について行けずドロップアウトしてしまうケースもあります。

>>フィリピンの歴史や政治について詳しく知りたい方はこちら

まとめ

就学率が芳しくない一方で、人口の増加により『教室不足・教師不足・教科書不足』という問題が発生しています。
学校によっては教室不足に対処するため、1つの教室を2つに分けて利用することもあれば、午前組と午後組とに分けて授業を実施しているところもあります。

教育期間の問題は改善しましたが、学校側の教室・教師・教科書不足。また、経済的な理由で学校に通えない子供や教育が行き届かない地域など、まだまだ問題は沢山あります。

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